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日本のキャッシュレス決済比率目標から考える、クレジットカード不正対策の重要性

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最終更新日

本記事では、その目標や、そもそもなぜキャッシュレス決済比率を高めたいのか、高める必要があるのかの背景、そのための課題に触れながら、キャッシュレス決済比率目標を達成するためという観点から、クレジットカード不正対策の重要性についてお話をしたいと思います。

突然ですが、皆さんは日本で行われる決済のうち、キャッシュレス決済(クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QR決済など現金以外での決済を指します)がどの程度の比率で利用されているかご存知でしょうか。

実は日本では、このキャッシュレス決済比率が他先進国と比べて比較的低い状況が続いてきました。そして、現在、このキャッシュレス決済比率を引き上げる目標を設定し、その達成に向けた様々な取り組みを行っています。

本記事では、その目標や、そもそもなぜキャッシュレス決済比率を高めたいのか、高める必要があるのかの背景、そのための課題に触れながら、キャッシュレス決済比率目標を達成するためという観点から、クレジットカード不正対策の重要性についてお話をしたいと思います。

日本のキャッシュレス決済比率目標とその背景について

日本は近年、キャッシュレス決済の普及に向けた取り組みを強化しており、2025年6月までにキャッシュレス決済比率を40%に引き上げるという目標を掲げています。そして、経済産業省の報告によると、2023年時点でのキャッシュレス決済比率は39.3%に達しており、目標達成が見えてきています。

出典:経済産業省HP(https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html)

さらに、将来的には世界最高水準の80%を目指す、という目標も設定されています。

しかし、なぜ日本は、キャッシュレス決済の普及に取り組むのでしょうか。経済産業省は、2024年2月に発表した「キャッシュレス決済について消費者に知っていただきたいこと」という資料の中で、「キャッシュレス化を実現することで、「既存の課題解決」×「新たな未来を創造」する⾏動変容を喚起することができる」としています。

「既存の課題解決」としては、具体的には以下のような内容が挙げられています。

  • 消費者の利便性向上
    -スピーディーな支払を実現
    -面倒な家計簿への転記を削減
    -銀行やATMでの現金の引き落としの手間を削減 など
  • 現金決済にかかるコストの削減
    -現金の「発行」「輸送」「管理」にかかる社会的コストの削減
  • 業務効率化(人手不足への対応)
    -レジ締めや現金取り扱いの時間の短縮
    -キャッシュレス決済に慣れた外国人観光客の需要の取り込みや簡素化 など

そして、「新たな未来を創造」という内容としては、消費者の購買データの連携・デジタル化や、それによる新たな消費スタイルの創造といった内容が挙げられています。「既存の課題解決」と「新たな未来の創造」という2つが相互に作用するようなイメージが示されています。消費者個人にとっても、事業者にとっても、大きなメリットがあるということです。

出典:経済産業省「キャッシュレス決済について消費者に知っていただきたいこと」

日本のキャッシュレス決済比率を上げていくための課題と対策は?

2025年6月末の40%の目標達成は見えてきていますが、将来的な80%達成に向けてはまだまだ課題が残されています。

同じく経済産業省の資料「キャッシュレス決済について消費者に知っていただきたいこと」によれば、キャッシュレス決済の普及においては、「使いすぎてしまうことへの不安」や「セキュリティへの不安」が、主なハードルとなっているということです。

キャッシュレス決済にもいくつか種類があり、最近ではQR決済の利用割合も増加傾向にありますが、2023年時点ではクレジットカードの利用割合が83.5%と、他と比べて飛び抜けて高い状態にあるため、そのことを踏まえると、特にクレジットカードをより安全に利用できる環境の整備、という対策が重要であるというのは妥当なように思えます。

出典:経済産業省HP(https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329006/20240329006.html)

たしかに、経済産業省では、安全・安心なクレジットカード利用環境を整備するため、クレジットカード会社、加盟店、PSP等のクレジットカード決済に関係する事業者が実施すべきクレジットカード情報の漏えい及び不正利用防止のためのセキュリティ対策の取組を取りまとめています。これが「クレジットカードセキュリティガイドライン」です 。

このガイドラインは2024年3月に最新の5.0版が公表されています。当社ブログでも解説していますが、2025年3月末までに原則全てのEC加盟店におけるEMV 3-Dセキュア導入や、不正対策に関わる「線の対策」など新しい対策が示されています

これらの対策により、消費者は安心してクレジットカードを利用できるようになり、キャッシュレス決済の普及が促進されることが期待できます。当然、不正被害自体を減らしていくいうことも重要ですが、もう少し広い視野で見てみると、キャッシュレス決済を普及させていきたいという背景も踏まえてのガイドラインであり、対策方針の強化である、ということが言えるかもしれません。

不正検知サービスもその一端を担っている

弊社が提供する不正検知システムASUKAも、このブログを執筆時点で、おかげさまで約30,000サイト様でご利用いただいており、クレジットカードの不正利用防止に少なからず貢献させて頂いています。不正でお困りの加盟店様をご支援するということも大きな意義を感じていますが、最終的に、社会的な意義のあることにもつながると考えると、重大さを改めて感じる次第です。キャッシュレス社会の実現に向け、これからも弊社のサービスを通じ、安心・安全な決済環境を提供し続けることで、社会全体の発展に寄与していきたいと思います。


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