インバウンドの回復・拡大に伴い、ここ数年で訪日外国人の増加が続いています。その一方で、昨今ではスキー場のチケットを不正に購入し、転売するケースが増加傾向にあります。オンシーズンとオフシーズンが明確な商材では、短期間に購入が集中する特性から、不正行為も特定の時期に一気に発生しやすく、事業運営上の大きなリスクとなっています。
本記事では、実際に多く見られる不正の傾向や背景、対策の難しさに加え、不正が決済承認率や売上に与える影響について解説します。
季節関連商材ECで顕在化している不正の傾向
複数のスキーチケットEC事業者における不正被害の傾向として、第三者によるカード不正利用や、クレジットマスターアタックと呼ばれるカードの規則性を利用し、他人のカード番号を取得するような不正が発生しています。reCAPTCHAやIP制限、大量アタックの制限などによる対策を講じることで、機械的な攻撃は一定程度抑制できていますが、より高度な不正を防ぐことはできません。
3-Dセキュア導入後も不正決済が継続的に発生しており、オンシーズンの繁忙期に不正が一気に集中する傾向が確認されています。
スキーチケットならではの不正対策の難しさ
スキーチケットのような季節限定のチケット商材では、不正購入から利用までの期間が短く、不正購入の翌日に実際に利用されてしまうケースも少なくありません。
事業者側では怪しい注文のキャンセルやチケットの無効化対応を行うことができますが、大量の不正決済が短期間に集中することで、対応が追いつかなくなることがあります。
その結果、被害が金額面だけでなく、運用負荷という形でも大きくなっていきます。もう一つの特徴として海外からの正規購入が多い点が挙げられます。なぜなら不正利用は海外からの攻撃も多いため、海外からの正規購入が多い場合、不正の判別が難しくなります。また、不正はオフシーズンにはほとんど発生せず、オンシーズンに入った途端に急増するため、継続的な傾向分析や把握が難しいという課題もあります。
このような対策の難しさから、一度不正集団に狙われてしまうと、毎シーズン大量の不正購入が試行されるといった状況が常態化してしまいます。
不正の増加が承認率低下につながるリスク
不正対策というと、被害額の抑制に目が向きがちですが、もう一つ重要なのが決済(オーソリ)承認率への影響です。
不正が多発するとカード会社からの評価が悪化し、オーソリ承認率が意図的に引き下げられる傾向があります。その結果、真正な利用者が購入ボタンを押下したにもかかわらず、決済が完了しないという事象が発生してしまいます。
このように不正の発生は承認率の低下を招き、本来獲得できたはずの売上を大きく取りこぼす結果につながります。
季節商材ECに求められる視点
季節性の高いECサイトでは、不正を止めることと、真正利用者の購入体験を守ることの両立が不可欠です。またオンシーズン特有の不正傾向やや訪日外国人への販売を前提とした分析と運用が求められます。
そして、不正を抑制するという視点に留まらず、売上を最大化させるという全体的な視野で不正対策を設計していくことが重要です。

いつでもご相談を
季節関連商材ECにおける不正対策では、対策の柔軟性に加え、決済承認率の維持・向上や運用負荷などを総合的に考慮した対応が求められます。
弊社では季節性の高い商材を提供する複数の事業者さまの不正対策をサポートしており豊富なノウハウに加え、最新の不正手口についても把握しています。
オンシーズンを安心して迎えるためにも、業界動向の情報収集を実施するだけでも意義のあることと言えますので、お気兼ねなくお問い合わせ、ご相談ください。