大学生の特殊詐欺への関与
「オレオレ詐欺」と呼ばれる特殊詐欺は、高齢者などをターゲットとし金銭を騙し取る犯罪でしたが、こうした犯罪にアルバイト感覚で手を染めてしまう大学生が検挙されるニュースが話題になっています。
こうした学生の犯罪への関与が、クレジットカードの不正利用の領域でも散見されるようになっている実態があります。
弊社アクルのサービスを利用して頂いているあるECサイトで発生した一連の出来事も、大学生の関与が疑われるものでした。
学生寮からの大量注文
今回、被害が発生したECサイトでは、主に比較的高額のブランドアパレルを取り扱っています。
一定期間の間に、発送先が同じ住所を指定した注文が10件ほど立て続けに入りました。これらの10件ほどの注文は、注文者氏名が3種類ほどに分けられます。当初に受けていた注文分に関しては、すでに商品を発送しており、さらに同じ住所宛の注文が複数件残っていたため、出荷の準備を進めていました。
その様な状況の中、利用中の決済代行会社を通じて、第三者のカード不正利用のためチャージバックとなる旨の連絡がECサイト側に通知されました。当然、未発送の商品は出荷を停止し、弊社に対応についてご相談を頂きました。
この注文に対する調査を進めた所、配送先として指定された住所は、ある大学の学生寮であることがわかりました。10件ほどの注文は全て同じ学生寮が配送先に指定されていたのです。
チャージバックが確定したのち、ECサイト担当者から注文者のメール・電話番号に何度もコンタクトを試みたものの、メールの返信は無く、電話にも出てもらえないといった状況でした。
同姓同名人物が体育会ホームページに
ECサイト担当者の方とともに引き続き調査を進めると、注文者氏名と同姓同名の人物が、その学生寮の提携する大学の体育会の選手としてホームページに掲載され、選手登録されていることがわかりました。
この時点でも、100%この人物が不正購入を行った人物である確証はありません。氏名を第三者に使われてしまったなど、この体育会所属の人物には直接の関係が無い可能性もあります。
体育会のホームページには、そのスポーツの業界でより高みを目指したいという旨のコメントも掲載されていました。
まさか、体育会に所属する人物が悪意をもってクレジットカードの不正利用という犯罪に加担しているはずはないだろう、とどこか期待していた部分もありました。
調査を進めていく過程で様々な事実が浮かび上がってくるのですが、その後のお話は後編へと続きます。
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