書籍をはじめ、DVD、トレカ、ホビー、アパレル、ブランド品など、多岐にわたる中古買取・販売を展開するブックオフ。今回は、店舗だけでなく自社ECにて買取販売を強化しているブックオフに「ASUKA」の導入に至る経緯や、不正利用対策への取り組みを伺った。
貴社ECで販売している商材の特徴を教えてください。
ブックオフ公式オンラインストア(以下、オンラインストア)は、中心商材である書籍・コミック・CD・DVDのほかに、ゲームソフトなど幅広く取り扱っています。
当社は「生涯を通じてご利用いただける最も身近なリユースショップ」を目指し事業展開していますが、店舗同様、オンラインストアも宅配買取サービスを通じてお売りいただいたリユース商品を主に販売しています。
また、オンラインストアでご注文いただいた商品を店舗で受け取ることができる店舗受取サービスにも力を入れています。商品1点から送料無料となることから多くの方にご利用いただいております。
貴社はどのようなユーザーに利用されているのでしょうか?
オンラインストアは、さまざまなアイテムを「買う」ことや「売る」ことができる日本最大級の中古販売・買取サイトです。
当社のオンラインストアにおける主なユーザー層は30代〜40代ですが、比較的幅広いユーザーにご利用いただいていると思います。
私たちは「お客様へ最高のリユース体験を提供する」をモットーに、多くのお客様にご利用いただけるようなオンラインストアを目指します。
貴社ではオンラインでの買取販売にも力を入れていると伺いました。
そうですね。
最近では、公式アプリからユーザーが簡単にオンラインストアで販売・買取を行えるように、導線設計など取り組みを強化しています。
店舗に欲しい商品がなかったら、オンラインストアで探して購入していただける仕組みを構築しています。
オンラインストアは常に300万点以上の品ぞろえ。欲しい商品がきっと見つかります。
どのようなタイミングで不正利用の被害に遭われましたか?
もともと不正利用は0ではないものの、それほど被害が多くはありませんでした。
そのため、利用している決済代行会社さんから不正に関する連絡があった際に対応する程度で、特に対策という対策は行なっていなかったんです。
しかし、2020年に入ってから、ひと月のチャージバック被害が平均50万円ほど発生。2019年と比較しても2倍以上に膨れ上がっただけでなく、不正被害額は増加の一途をたどる一方でした。
これは急いで何とかしなければ…と不正対策を実施することになりました。
どういった商材が狙われたのでしょう?
2020年当時は、ゲーム機やゲームソフトが不正被害に遭っていました。
単価も高く現金化しやすい商材ですし、コロナの巣ごもり需要なども影響してか、ゲーム商材は狙われる傾向にありましたね。
その他、時々ですが限定版のDVD-BOXなども不正に購入されることがありました。
「ASUKA」を導入した決め手は?
1つ目は、月額の固定料金制でご提供いただけたことでした。
実はASUKA以外の不正検知ツールの導入も検討しましたが、導入コストとして初期費用と月額料金だけでなく、不正の検知件数に応じたトランザクション費用が発生することもあり、導入を断念しました。
当社のメイン商材は低単価な書籍ですので、上記のような料金設定だとどうしても採算が取れないんですよね。
反対に、「ASUKA」は月額固定で不正を検知してもらえるほか、ASUKAの運用サポートや当社に合わせたチューニングなども料金内で実施いただけるので、大変助かっています。
2つ目は、JavaScriptでの実装が可能だったことです。
実装に2ヶ月ほどかかりましたが、APIでの導入と比較すると早めに導入できたのでは、と考えています。
不正被害に遭っている間に実装に時間をかけてしまっていると、防ぎたいものも防げないといった状況になるかと思います。
なるべく早く導入できるツールを、ということで「ASUKA」に決めました。
実際に「ASUKA」で不正対策してみた感想を教えてください。
まず、チャージバック被害を大幅に減少できました!
2020年度の不正被害と比較しても5分の1程度の削減を実現できましたね。
また、EC担当者なら誰しも思うことですが、「真正なユーザーの巻き込みを制御しながら不正被害を減らしたい」という思いもありました。 ASUKA導入後はそういった、真正なユーザーを巻き込まずに不正ユーザーをブロックできる運用が行えており、導入して良かったと感じています。
次に、社内で不正のパターンや不正状況の把握・共有ができるようになりました!
「ASUKA」では各取引がダッシュボードで可視化できるため、導入後は不正ユーザーの特徴や狙われやすい時期など社内で把握できるようになりました。
他にも、「ASUKA」の機能である「マンスリーレポート機能」で、検知された不正ユーザーの傾向や特徴などが出力できるようになり、社内の関係部署で不正状況の共有・把握がしやすくなったんです。「ASUKA」を通じて、社内にチャージバックへの意識を高めることができたのは、導入メリットだと言えますね。
最後に、専任のコンサルタントが当社オンラインストアにおける不正状況を分析してくれるので、今後の運用対策の参考とするなど非常に助かっています。
当社は今まで不正対策に力を入れておりませんでした。 そのため、不正ユーザーからの注文に全く気が付かずに被害に遭うケースもあるほか、社内において不正対策のノウハウや経験はほとんどありませんでした。
今では、不正に関する知見やノウハウもついてきましたね。
不正対策運用の体制変化もありましたか?
あります。とても変わりました。
「ASUKA」の導入に合わせて、社内ではユーザー情報の履歴を残したり、注文情報の目視確認を行ったり、不正対策に力を入れる仕組みづくりが生まれました。
先述した通り、当社では不正被害や不正傾向を把握しておらず、ユーザーの目視確認なども行なっていなかったんです。
こういった運用を見直し、現在では「ASUKA」で検知したユーザーの取引情報や不正に利用された住所情報などを活用した不正対策の運用に取り組んでいます。
「ASUKA」で検知したデータを活用した対策運用が行えているのですね。
そうですね。
「ASUKA」の特徴として、ダッシュボードから「ASUKA」を利用している他社でブロックされた不正ユーザーの情報が確認できるので、運用する上で非常にありがたいと感じています。
自社の傾向だけでなく、同業他社での不正ユーザーも参考に不正対策が行えるので、まだ当社で発送していない不正ユーザーからの注文にもいち早く気づけ、ブロックもできています。
現在では、毎日「ASUKA」にログインして自社の不正状況や、他社の不正ユーザーの動きなど確認していますね。
今後も現在起きている不正を抑制するだけでなく、「どのような対策が必要か」にも焦点を当てた運用ができればと考えています。
最後に一言お願いいたします!
「ASUKA」導入直後はゲーム関連の商材が中心に狙われていましたが、今では医学などの高価な専門書が不正に狙われているなど、不正の状況は刻々と変化しています。
また、アカウントの乗っ取り購入や、CtoCの販売プラットフォームを利用した空出品販売など手口も年々変容しています。
不正利用を実際に0にすることは非常に難しいと考えています。
不正検知ツールや3Dセキュアの導入も重要ですが、EC担当者である私たちが「不正被害を削減しながら、お客様に安心して買い物を楽しんでいただく」ことを意識して対策を強化することが非常に大切なのだと実感しました。
ブックオフの担当者さま、インタビューのご協力ありがとうございました!