個人をはじめ、小規模な生産者や小売店による手工芸品・アンティーク・食品などを対象としてマーケットプレイスを手がけるiichi。
日々の暮らしを心地よくする「もの・ひと・こと」との出会いを増やし、「つくる人とつかう人の繋がり」の輪を広げていきたいという想いからサービスを展開、現在でも多くのユーザーに利用されている。
今回はCtoCマーケットプレイスでの不正の悩みや、ASUKAを活用した不正対策の運用についてお話を伺った。
どのようなCtoCプラットフォームなのか教えて下さい。
iichiは創業者の「個人でモノづくりをする作り手の作品や仕事を多くの人たちに紹介していきたい」という思いから誕生しました。
2011年にiichi(いいち)手仕事のマーケットプレイスとしてサービスを開始、「つくる人とつかう人の繋がり」の輪を広げるプラットフォームとして展開しています。
個性豊かな商品を買いたい、もしくは売りたいという方を対象としたプラットフォームで、個人から小規模な作り手さんまで国内外を問わず様々なユーザーがいらっしゃいます。
現在では、アンティーク&ヴィンテージや食品カテゴリーの個性ある商品も取り扱い始め、今後もマーケットを広めるべく、手工芸品をメインに幅広いカテゴリーの商品を出品できるようにしたいと考えています。
ASUKA導入前の不正状況はどういった特徴がありましたか?
CtoCならではの不正被害の特徴としては『架空取引』による不正ユーザーの被害ですね。
当社では1日の出品数を確認していますが、一定期間だけ出品数が激増する現象が起こったことが不正ユーザー発見のきっかけでした。
データの推移が怪しいことから、社内のCSメンバーから「不正ユーザーによる出品ではないか」と報告があり、調べると「自作自演」による架空取引を行う海外アカウントの存在が判明。 それ以降は架空取引による不正被害が起きないように、該当アカウントの削除や、自社エンジニアによる怪しい取引へのアラート機能の運用などで対策を講じていました。
チャージバックも起きていたのでしょうか?
不正ユーザーを発見した2017年頃は、自社で未然にチャージバック被害を防止していました。
ですが、2018年〜2019年あたりから、不正アタックが激増したため、取引内容の目視確認や不正発見時の出品者様への発送停止業務によりCSメンバーの本来の業務が滞る事態に発展しました。
CtoCの特性上、出品者側の規制を厳しくすることはできませんし、自社のみでプラットフォームの安全を確保するにも限界を感じていました。
加えて、当時は対策としてチャージバック保証を利用していましたが、CtoCのプラットフォームは保証の対象外になってしまったんです。 このことから、真正なユーザー様の取引を守るためにもASUKAを導入しようと社内で話が進みました。
ASUKAの導入の決め手はなんですか?
ASUKAは当社が利用している決済代行会社さんからの紹介で知りましたが、受注の前に不正と思わしきユーザーをブロックしてくれる唯一の不正対策ツールだったので、導入を決めました。
正直、ASUKA or dieという感じでした(笑)
不正対策のコストをかけてASUKAを導入するか、不正がこのまま起き続けて被害を被るかこの2択だったと考えています。不正被害に比べてもASUKAの導入コストは優しいですし、不正を見過ごすわけにもいかないのでASUKAを選択しました。
また、サイトに合わせて不正の対策をチューニングできるという点も、ASUKAの導入の決め手になりましたね。
実際にASUKAを導入・運用をしてみていかがでしょうか?
不正対策にかける運用工数が大幅に減ったのは、ASUKAを導入して良かったポイントですね。
先述の通り、ASUKAの導入前は土日にも対応する必要が出てきたほど、CSメンバーの工数がひっ迫していました。
ASUKAを導入してからは、ユーザー情報が可視化されたことにより判断材料が増えて確認工数も大幅に削減できましたね。
また、不正の検知精度についても、当社のECサイトの特徴を見ながらアクルさんがチューニングを行ってくれるので、今では不正ユーザーによるアタックに困ることなく運用ができています。 導入当初も2回ほどチューニングしてもらっており、正直なところ最初は効果が出ているのか見えづらいまま運用していましたが、再び不正なユーザーからのアタックがきた際にASUKAのおかげで事なきを得たので、不正対策としての効果も実感しています。
ASUKAの導入後、不正対策への考え方の変化はありましたでしょうか?
実はASUKAを導入するとなった当初、「もう私たちで不正チェックをしないでいいんだ!」と考えていました。
ですが、アクルさん側で発信して下さる最新の不正対策や不正状況などを定期的にチェックしていると、不正ユーザーは日々進化してアタックしてくることを知りました。
実際に運用してみると、ASUKAは大半の不正ユーザーをブロックしてくれますが、中には手口を変えてすり抜けてくる不正注文が現れることもあります。
すり抜けた不正の傾向を人の目で確認してアクルさんにお伝えすることで、ASUKAも新たな不正に合わせて検知できるように進化して新たな不正ユーザーも排除できますし、システムと並走しながら担当者での目視確認も運用で欠かせないと気づきました。
また、ASUKAの管理画面に、アクルさんや他の加盟店様と不正対策についてコミュニケーションを取れる『コミュニティ機能』があるのですが、ここで発信される情報が大変有益で、不正ユーザーを見極める指標になっています。
今では情報が更新される度に、担当者同士で情報を共有し合うようにしています。
最後にお伝えしたいことがありましたら、教えて下さい。
iichiでは、利用するユーザーさんに安心して、買ってもらえる・売ってもらえるマーケットを目指しています。
当社のプラットフォームでは、出品者様の多くがご自身で商品を制作しているので、真正なお客様へ販売したいという思いが強いと思います。
もしそれが不正なユーザーによる購入だった場合、出品者様にとってのショックは大変大きいものですし、「iichiで不正が起きるんだ」と信頼性を損なうことはどうしても避けたいと考えています。
今後もユーザーの皆様が安全にお取引ができるよう、運営に取り組んでまいります。
iichiのみなさま、インタビューのご協力ありがとうございました!
iichi サイトはこちら▼
https://www.iichi.com/