クリエイターが文章やマンガ、写真、音声を投稿することができ、それらをユーザーが楽しんで応援できるプラットフォーム「note」を運営しているnote株式会社。今回は、クリエイターの収益獲得につながるプラットフォームとして重要な役割を担う「note」に「ASUKA」の導入に至った経緯や不正利用対策について伺いました。
貴社運営「note」について教えてください
noteはクリエイターが文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームです。Noteは、ニューヨークのようなチャンスにあふれる「街」をイメージして設計しています。
そこには、ウォールストリートのような金融街や、高級住宅街、中華街、劇場、自然豊かなあふれる公園まで、あらゆる文化と人が共生しています。なので、一般の方から芸能人や作家、企業、学校、自治体まで。さまざまな人が集まり、インターネットにおける創作・ビジネスをはじめとしたあらゆる活動の本拠地になることを目指しています。
サービスの特徴としては、クリエイターが継続的に収益を得られるように、読者からの直接課金モデルを導入していることです。記事単体での販売や月額制のサブスクリプションサービスなど多様な課金機能を提供しています。
またnoteには、人気記事のランキングや広告がありません。PVを稼ぐことに特化したコンテンツが生まれにくい空気を醸成することで、クリエイターのみなさんが安心してクリエイティブに専念できる場をつくっています。
貴社における直接課金システムの位置づけを教えてください
だれもが自由に発信できるインターネット空間でも、クリエイターが収益を得られる仕組みが必要だと考え、noteでは世の中に先駆けて、2014年のサービス開始当初から直接課金のシステムを導入しています。
一方で、コンテンツ販売においては、商材に違法性がないか監視する必要がありますし、不正行為を未然に防ぐこと、不正決済が発生しないように対応することなど、クリエイターとユーザーどちらに対しても安全な環境を維持することを意識しつつ、利便性や自由度を損なわない環境づくりを目指しています。
昨今では、SNS広告を利用した詐欺被害も発生して社会問題になりましたので、当社としても組織的な不正や犯罪の温床にならないことを常に心がけています。
不正対策に対するお考えを教えてください
「note」は、プラットフォーマーとして、利用者間のトラブル発生防止、法令準拠、不正行為の対策などを行いつつ、利用者の利便性を損なわないルールを策定し、サービス運用することが求められています。
一例として、個人間で金銭のやりとりが発生するため、販売者(クリエイター)と購入者(ユーザー)が結託して資金洗浄(マネー・ローンダリング)に利用される危険性があります。
そのため、組織犯罪の抑制という観点においても、不正利用対策は重要な取り組みと認識しています。
ASUKA導入の背景と導入後の変化などを教えてください
不正検知サービスの導入を検討し始めたのは、世間一般にも言われていますが、不正の種類や手口が多様化したことがきっかけです。事業者選定では海外サービスを含めて比較し、最終的には日本語による迅速なサポートと、当社サービスに寄り添ってチューニングしてもらえること、この2点が決め手となりASUKAの導入を決定しました。
導入後はチャージバックの発生件数・金額は確実に減少しているので効果を実感しています。また、導入前から目視による取引のチェックを行っていますが、こちらもASUKA管理画面から不正リスクが可視化されたことで作業工数・負荷が減り、業務オペレーションにおいても非常に助かっています。
怪しい取引に関してはこれまで、確証が持てないため即座に取引を止めるという判断ができず、対応が遅れてしまうこともありましたが、今ではリスクが高いと判定した理由をASUKAが示してくれるので対応しやすくなっています。今後も ASUKAを活用してチェック対象の幅を広げるなど、オペレーション改善を行いつつ、不正利用を一緒に減らしていきたいと考えています。
ASUKAでよく利用される機能やご評価いただいている点はありますか?
ASUKAでの不正検知をトリガーとしてユーザーチェックを行っていて、その際にスコアデータ検索を頻繁に利用しています。
3-Dセキュア義務化などのガイドライン整備等も進んでいますが、業界動向や不正傾向の変化も共有いただけているので、不正対策に関する社内方針の検討も進めやすくなりました。
蓄積されたデータから不正利用の傾向を把握・分析して、多様なルール設定で不正を検知できること、また、それらを最適化するためにチューニングができることがユーザー企業にとって非常に魅力ですね。
今後のアクルに期待することがあれば教えてください
不正利用対策には、システム全体のセキュリティ強化と併せて複層的に対応・評価していくことが大切と考えています。今後も新規の不正手口が出てくると思うので、アクルの担当の方と密に連携を取って、リアルタイムにルール変更しながら対策していきたいと考えています。