はじめに
みなさんは「3Dセキュア2.0」をご存じでしょうか?
2025年4月から、ECサイトでのクレジットカード決済において「3Dセキュア2.0」の導入が義務化されます。いよいよ残り1ヶ月を切りました。これにより、不正利用のリスクが軽減される一方で、事前の準備を怠るとスムーズに買い物ができなくなる可能性もあります。
本記事では、「3Dセキュア2.0」とは何か、そしてECサイトで買い物をする際に消費者が気をつけるべきポイントについて解説します。
3Dセキュア2.0とは?
「3Dセキュア2.0」は、クレジットカードのオンライン決済時に本人認証を行う仕組みです。従来の「3Dセキュア(1.0)」は、必ずパスワード入力を求める方式でしたが、2.0では、より柔軟で安全性の高い認証方法が導入されています。
具体的には、以下のような方法で本人確認が行われます。
- ワンタイムパスワード(OTP)の入力(SMS・メール・認証アプリ等)
- 指紋認証や顔認証(生体認証)
- 取引のリスクレベルに応じたシームレス認証(低リスクの場合は追加認証なし)
この仕組みにより、なりすましなどの不正利用を防ぐことができます。
しかし、新たな認証方式が導入されることで、消費者側も注意すべき点が増えます。
ECサイトでお買い物をされる方が注意すべきポイント
1) 3Dセキュア2.0の設定をしていないと購入できない場合がある
3Dセキュア2.0を利用するには、クレジットカードごとに事前設定が必要です。
設定を行っていない場合、3Dセキュア2.0を導入しているECサイトでは決済ができないことがあります。事前にカード会社のサイトで設定を確認し、必要な手続きを済ませておきましょう。(カード会社によっては、自動で設定がされている場合もあります)
以下に、日本国内の主要なカード発行会社における3Dセキュア2.0の設定方法をまとめた公式ヘルプページのリンク一覧を掲載します。
筆者の実体験でいうと、本人のカードは設定を済ませていたが、家族カードは設定し忘れていたということがありましたので、そのあたりも注意しておくと良いと思います。
2) ワンタイムパスワードが届かない場合がある
3Dセキュア2.0では、ワンタイムパスワード(OTP)を使用するケースが多くあります。しかし、以下の理由でワンタイムパスワードを受け取れないことがあります。
- メール受信トラブル
- 迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう
- 受信設定によってブロックされている
- SMS受信トラブル
- スマートフォンのキャリア側でスパムと判定されてしまう
- 電波が悪い場所にいるため受信できない
- 認証アプリの設定ミス
- アプリの通知がオフになっている
- 登録した端末とは別の端末で認証しようとしている
実は、筆者も先日、新幹線のチケットを予約する際に、SMSで届くはずのワンタイムパスワードが全く届かないという事態に遭遇しました。
乗りたい新幹線はあと15分ほどで来るという状況だったので焦りましたが、いろいろと確認した結果、スパムとして判定されてしまってSMSが届いても見れない状態になっていることがわかり、スパムとしての設定を解除することで解決しました。
新幹線に乗る1週間前には、同じカード会社、同じ電話番号からのSMSでワンタイムパスワードを受信できていたこともありましたし、自分でそんな設定をした覚えもなかったのですが、誤操作などで設定してしまったのかもしれません。
以下の画像は、なぜ届かないのか分からず、何度もワンタイムパスワードの再送信をしていたため、スパム解除した途端に、同じ内容の大量の受信履歴が表示された様子です。

このようなトラブルを防ぐためにも、3Dセキュア2.0の認証方法を事前に確認し、必要な受信設定を済ませておきましょう。
まとめ
3Dセキュア2.0は、ECサイトのセキュリティを向上させるための重要な仕組みですが、事前の設定を怠ると、スムーズに買い物ができなくなる可能性があります。
特に、
- カード会社の設定を確認し、事前に3Dセキュア2.0を有効化すること
- ワンタイムパスワードが正常に受信できるよう、メール・SMSの設定を見直すこと
この2点をしっかり準備して、安心してECサイトでのお買い物を楽しみましょう!