はじめに
大まかな不正動向として、2013年以前は対面取引での偽造クレジットカード使用、2014年以降は家電やPCなど高単価な商品が狙われ、2020年以降はコロナ禍における巣ごもり需要の影響もあってかC to C間で売買ができるプラットフォームを悪用した不正取引が増加し、低単価の商品も不正決済のターゲットとなり始めました。
これまで特に不正対策が必要な業界や商品と言えば、高リスク商材と位置付けられるデジタルコンテンツ、PCや家電、電子マネー、チケット、宿泊などとされていたかと思います。
もちろん、それらを取り扱う加盟店様からのお問い合わせは引き続き多い状況ですが、直近で顕著に増加した業界があります。
要注意のEC業界とは
弊社への問い合わせが増加した業界は“食品・飲料業界“です。
これまで食品・飲料業界が不正に狙われることが少なかった背景として、商品の性質上、消費期限や保存方法の問題があり、不正ユーザーからすると取り扱いが難しく、また、C to Cでの売買や転売のニーズが高リスク商材と比べると低かったためです。
お問い合わせいただいた加盟店様にお話を聞いてみると、食品・飲料業界における不正手口にはある特徴がありました。
食品・飲料業界での不正手口
食品・飲料ECサイト様から多くご相談いただく手口は、クレジットマスターアタックと呼ばれる大量注文に関するご相談です。
クレジットマスターアタックの概要つきましては、以前投稿した下記ブログをご覧ください。
▼クレジットマスターアタックに関するブログ記事▼
食品・飲料業界はEC化率が未だ低く、小規模で開始される加盟店様も多いかと存じます。その中ではまず売り上げを優先され、不正対策に手が回らず、目視チェック等の運用体制が整っていないところを標的とされているように見受けられます。
クレジットマスターアタックを行う不正ユーザーからすると、ECサイトの売り上げ規模や、取扱商品の認知度は関係ありません。サイト上にクレジットカード番号の有効性確認ができるページがあるか、セキュリティが手薄でアタックに手間がかからないかという観点でサイトを探し、お構いなしにアタックを仕掛けて来ます。
アタックをする中でセキュリティに引っかかり、面倒な作業が必要になれば、他のサイトを探しに行くといった形です。
ある加盟店様ではクレジットマスターアタックを防止するため、弊社不正検知サービス“ASUKA”をご導入されたところ、直後に不正ユーザーに狙われましたが制御ができ、数日で離れていった様子が以下グラフから確認できます。
一方で、ワインやウイスキーなどのお酒や、SNSなどで取り上げられた話題の商品、季節商品は転売を含め第三者のクレジットカードを用いた不正も発生しています。
大量のアタック実績がないからと注意を緩めるのではなく、チャージバックが発生していないか、怪しい注文が増えていないかのチェックは必要です、
まずは現在のサイトの状況をご確認いただき、対策や運用の整備、利用しているECプラットフォームや決済代行会社様から提供いただくことのできる対策機能が無いかをご確認いただければと思います。
弊社では不正全般の対策サービスの他に、クレマスアタックに特化したサービスを用意しており、多数の導入実績や大量アタックの対策実績がございます。
早期導入が可能なサービスとなりますので、対策を急がれる加盟店様は是非一度ご相談ください。
おわりに
これまで発生していないから大丈夫といった考えは危険です。
これほどにECサイトの利用が一般化し、不正手口が多様化している状況ですので、改めて自社サイトの不正対策を見直していただければと思います。
不正ユーザーの動きは短期間で変化し、業界や取り扱う商品によっても手口が異なるため加盟店様ごとに分析が必要です。自社での運用では難しい部分もあるかと思いますので、不正対策については弊社にお任せください。