日本国内におけるチャージバック不正の傾向とは
2018年から2019年上半期にかけて、チャージバックは依然増加傾向です。その中で一つ傾向として言えるのは、中国系不正利用者によるアタックの増加です。
いったいどういった背景があり、今後どういった動きになるのか、具体的な対策はあるのでしょうか?
ソーシャルバイヤーの存在と不正利用
インバウンドによる中国人旅行者の増加もあり、また「爆買」なる言葉が有名になりましたが、その背景には内外価格差を利用した転売業者「ソーシャルバイヤー」の存在もあると言われています。
日本の医薬品などが非常に人気があるとのことですが、日本国内で就業につきながら、もしくは留学生でありながら、その副業として転売業者として働く中国人が2018年から急増していると聞いています。
2018年の不正傾向でいいますと、この転売業者が第三者のカードを不正に利用した事案が多く見受けられました。このケースでは、留学生会館が配送先などの事例もあったほどです。
あるカード加盟店さんが、「旧正月になると不正が減る。なぜなら転売屋が帰省するからだ」といったコメントもありましたが、あながち冗談にも思えませんでした。
中国電子商取引法の施行と不正利用者への影響
そうした中で、転売業者の動きに影響がでそうな法案が中国で施行されました。2019年1月1日に施行された、「中国電子商取引法」です。中国の景気減速の影響もありますが、この法施行により、転売業者の爆買が終焉するのではといった見方も出てきています。
中国電子商取引法(電商法)とは、電子商取引の事業者や消費者の権益、責任などを規定した法律です。同法では、電子商務経営者が経営活動に従事する場合、関連する行政許可の取得が必要であることが規定されており、また本法の施行により納税義務が発生します。
この「電子商務経営者が経営活動に従事する場合」には、ソーシャルバイヤー的な代理購入も該当するため、同法の施行により、ソーシャルバイヤーにも行政許可の取得や納税義務などが発生することから、代理購入を行う事業者や個人の減少につながっています。
基本的に、現地転売業者による不正が全くなくなるといったことはないと考えています。何故なら第三者のカードを不正に利用する限り、そもそも税関コストなど吸収できるからです。
ただし、組織的な犯罪集団が現地に人を置くコストなどや、わざわざ代理購入のために行政許可を取得するコストを考えると全体的に減少していくのではといった考え方もできます。
転送業者経由の不正利用増加
実は今回の同法施行で中国政府は、越境ECで購入できる制限額(上限)を増やしています。その狙いは、税関経由の正規の越境ECルートはむしろ拡大させる方針で、ルートを集約することで、税収はもちろんのこと、データ管理、取得も容易になると言われています。
実は2019年に入り顕著に増加していると感じられるのは、「中国人名」による「転送業者」経由による不正利用です。調べてみると転送業者もその大半は中国系です。
つまり、同法施行により、日本国内の転売業者から、正規の越境ECルートに不正利用者も回帰してきているという仮説はあながち間違いではないかもしれません。
転送業者による不正は以前から多くはありましたが、その傾向が顕著になってきているのも、この2019年に入ってからと見ています。
具体的な対策方法と
日本製品として人気のある、たとえば医薬品や化粧品などは未だに、このケースでのチャージバック被害が多く、未だ増加傾向です。
正規のユーザーもいるので必ずしもということではないですが、しっかりとした対策をすることで、不正を防ぐことは可能です。
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