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不正利用者は業界毎にハシゴする?
~業界横断、不正情報のネットワークの重要性について~

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最終更新日

クレジットカードの不正利用者は業界によって傾向や動きが違うのでしょうか?
設立当初から旅行業界をはじめ、様々な業界での不正利用者のアタックを 防いできたアクルが、不正利用者の傾向や挙動について解説します。

最初に

これまでもいくつかの記事において番号盗用による不正被害の実態に触れていますが、
クレジットカードのICチップ導入などの対策により、「スキミング」(カードの偽造被害)という言葉から「Webスキミング」(カードの番号盗用)という言葉に取って代わってきています。
番号盗用による不正被害への正しい知識と、より強固な対策が求められているようになりました。

今回は不正利用者の傾向や、その対策についてまとめていきたいと思います。

不正被害傾向の推移

上の青いグラフは、スキミングによるカード偽造の被害額を表しています。
皆様がお手持ちのクレジットカードは恐らくほぼ金色のICチップがついているのではないかと思いますが、これは偽造防止の取り組みによるものです。
このグラフでは、クレジットカードのICチップ義務化により、スキミングによる偽造被害が減っていったことがわかります。

対して、赤いグラフが番号盗用による不正利用被害です。
当初は不正利用者もパソコンや家電といったような、高額で一つの商品でも十分に利益が確保しやすい商品を狙っていました。

その後2017年頃より、旅行系のECサイトでの不正利用が非常に増えていきました。
2019年コロナ禍により旅行需要が減り、旅行関連ECでの不正は減ったため、全体の被害額も減少していくかに思われましたが、コロナ禍の巣篭もり需要においてEC事業が活性化され、またCtoCのサービスにより誰でも簡単に商品を販売する土壌が醸成され、蓋を開けてみればさらに不正による被害が増えていった事がわかります。

不正利用者の傾向の把握

当社ASUKAのサービスは2017年から始まる旅行EC期の頃から、旅行関連サイトを中心にご利用加盟店を増やしていった経緯があります。

この時期、ある旅行系の加盟店において不正利用が爆発的に増え、ASUKAをご導入頂いたところ不正利用を未然に検知することができ不正が減少しました。
しかし、今度は別の旅行サイトにおいて同様の被害が増えていきました。

ASUKAではカード会社との不正情報の連携も行っており、実は同じ不正集団が別のECサイトで同様の不正利用を繰り返していたことが、当社の分析とカード会社からの連携により発覚しました。
このように、不正利用者は同じようなサービスを扱い、対策がまだできていないサイトを次から次に狙っていくという傾向がある事がわかりました。

業界ごとにおける情報共有の重要性

ここまでお話しした通り、不正利用者(不正集団)は似た商品を狙ってくるケースが多いため、業界毎に不正のトレンドは異なってきます。
残念ながら、不正検知サービスは万全な対策とは言い切れません。

しかし、各業界に精通し、不正利用の傾向をいち早く把握する事ができる担当者が常にモニタリングとチューニングを実施する事が最大の防衛策であると考えています。
各業界毎の不正のトレンドをいち早く察知し、どういった不正検知策が有効なのか、それを自社サイトに反映していくチューニングが重要となってきます。

不正利用の根本対策、廃絶へ向けて

ASUKAではこれまでも不正対策ネットワークを通した対策を実施しておりますが、今後さらに各業界を横串で対策をするような情報共有の場や、カード会社を交えた不正状況の共有など、不正の廃絶を目指し、それぞれの業界毎のコンソーシアムを形成しEC事業をより安全に運営できるようなサポートと、エンドユーザーの方が安心してECでお買い物を楽しめるよう不正の廃絶へ向けた取り組みを実施していきます。

不正利用者は今や集団で生業としてアタックを仕掛けており、カード決済に課題がある限り、ECにおけるカードの不正行為を根絶していくことは大変難しい状況です。このような状況を鑑みると、不正対策は終わりの見えないマラソンのようなものであると言えるでしょう。

アクルが提供する不正検知認証システム「ASUKA」は、多種多様な業界のEC加盟店が利用しており、専門のコンサルタントが「終わりのないマラソン」をサポートし、EC加盟店を力強くバックアップしています。

また、「ASUKA」はEMV3Dセキュアとの組み合わせも容易に実現できます。そのようなサービスも併用して利用することで、不正利用のリスクを最小限に抑えることができます。
興味をお持ちの方は、ぜひアクルにお問い合わせいただくことをお勧めいたします。

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