アジアにおけるモバイルコマースと決済手段の考察

2017年12月1日

新しい波 / 決済手段、シンガポールを例に

 シンガポールの電子商取引市場は2021年までに9%の成長(6.5億ドル)と、アジアの中でも低い成長率と予測されています(WorldPay試算)。

 現在、東南アジアで第3位の電子商取引市場となっていますが、シンガポール国民の73%がすでにオンラインで買い物をしているとされており、全体的な成長減速は避けられないとされています。

 アジア主要国では、中国の電子商取引市場は11%、韓国は19%、インドは24%の成長となっています。 もちろん引き続き成長はしていくものの、成長率は鈍化していくものです。

 一方で、モバイルショッピングという観点で新しい波もきています。調査によると、シンガポールのMコマース、つまりモバイルコマースは、今後5年間で33%の成長が見込まれているといわれています。

 アジアではモバイル普及率が意外と高く、デジタル / スマホネイティブ率も高いとされています。スマホでの買い物も日本に比べ抵抗なく入り込んでいく土壌が既にあるのが特徴です。

 

 上記は中国における「M-Commerce」、モバイルコマースの事を指しますが、統計データによると2019年までに売上が1.5兆ドルになると試算されています。これは、中国の小売市場の実に1/4を占めるまでになるとされており、かなりインパクトがあります。

 日本においても、今後モバイル戦略がある意味キーとなるのは間違いないですが、この戦略の持ちようによっては加盟店ごとに差が出てくるかもしれません。

 

決済手段の多様化と求められるセキュリティ

 シンガポールのクレジットカード普及率は他のアジア諸国に比べ圧倒的に高く、実際に66%のユーザーがクレジットカードを好むとされています。一方で、銀行振込や電子ウォレットの存在感も増してきているといったある意味意外なデータも出てきています。

 調査によれば、それぞれ2021年までに、銀行振込が11%から21%へ、電子ウォレット13%から21%に増加するとされており、まだまだ健在です。

 もちろんクレジットカード決済は依然強く、且つアジアでもその普及率は年々高まっています。一方で、レガシーとされた銀行振込や、電子ウォレットのような決済手段もここにきて割合を増やしてきているのです。

 加盟店サイドからすると、クレジットカードの不正利用に悩まされる加盟店も増えてきており、シンプルに不正がない決済手段の普及は歓迎されるものです。アジア全体で見ても韓国以外はクレジットカード不正利用によるチャージバックに悩まされており、セキュアな決済手段が求められています。それは日本も同じですが、今後は色々な形の決済手段が増えていくと思われます。

 モバイルコマースと新しい決済、これが直近のキーワードとなってくるのは間違いないでしょう。