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米国のカード決済 消費者から見た最新動向

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最終更新日

2月の中旬、お休みをもらいましてサンフランシスコに旅行で訪れました。
今回は滞在中に発見した、アメリカにおける最新の決済事情についてまとめました。

向かった先はサンフランシスコ

サンフランシスコ。米国の西海岸、太平洋沿いに位置しており、1年を通じて雨が少なく温暖な気候といった環境を有する街です。

カリフォルニア州に位置する多様性・創造性に富んだ都市であると称され、世界的なテクノロジーハブとしても知られています。

西海岸に位置するサンフランシスコ

特にシリコンバレーとの近い関係性から、革新的なテクノロジー企業やスタートアップが数多く誕生している都市でもあります。

Hewlett-Packard(HP)、Apple、Google、Facebook(現Meta)、Twitter(現X)など、多くの有名企業がここから生まれました。起業家精神が根付いており、新しいアイデアやビジネスモデルが日々生み出されています。シリコンバレー周辺にベンチャーキャピタルや大学が集まり、イノベーションを後押ししているとも言われています。

また、こうしたイノベーションの後ろ盾になっている要素として、サンフランシスコのリベラルな価値観も影響しているように感じました。同性婚の合法化、差別撤廃法の導入、移民の支援に注力する、などの都市全体の取り組みがあるようで、そうした影響からか多様性に対してそれが当然といった感覚が根付いているのかもしれません。

「言われてみれば、そういう発想・考え方も確かにあるよね。改めて考えてみるとそれって合理的かも?」

数日間の滞在でしたが、こんな風に考えさせられる新たな発見が多数ありました。

他にも、ニュース等でも報じられている治安の悪化、ホームレスの増加、ドラッグの蔓延、などなどテーマは尽きないのですが、長くなってしまうのでまたの機会に。

タッチ決済の普及

米国における決済シーンについて消費者目線で強く感じたことの一つとして、クレジットカードブランドの提供する「タッチ決済」の普及率の高さを取り上げたいと思います。

日本から渡航する前に、最低限の現金も持っておこうかと予め日本の空港でドルを持って出かけましたが、最終的にはほとんど現金を出すシーンはありませんでした。現金の8割型は日本の空港に到着した際、端末にドル紙幣を投入しAmazonギフトポイントに変換されることになりました。(これも便利だったのですが別の機会に・・)

つまり、滞在中の支払いの多くをクレジットカード決済でやりくりすることができ、飲食店のチップでさえカード決済の時代になっていたのです。支払いで現金Onlyのお店は滞在した中で1店舗だけでした。寄付する(させられた?)ために20ドル紙幣を財布から出したことを思い出したのですが、それくらいです。

日本でもタッチ決済、とくに都市部では交通系ICをはじめとする日本規格のものが日常生活ではお馴染みですが、クレジットカードをかざすタイプの「コンタクトレス」と呼ばれるカード決済が当たり前になっていました。

まだ日本国内では端末側が非対応である、またはカード側にコンタクトレスが搭載されていない、といった理由により、端末にICチップのついたカードを挿し込み、PIN桁を入力して決済完了させる、サインを書いて完了させる、という方式が珍しくありません。

ランドリーも”CREDIT CARD ONLY”

ホテルに備わっていたランドリーでも、決済端末が備え付けられており、ここでは現金NG、クレジットカード決済ONLYという方式でした。日本でも店舗を構えるコインランドリーでは決済端末が備え付けられているのを見たことがありましたが、現金NGとはしていなかったと記憶しています。

洗濯機に表示されている数字は利用するための金額ですが、お値段は6ドル。ここでも物価の差を感じさせられました。(乾燥機も別途6ドル・・)

話を戻しまして、コンタクトレスによるカード決済については、おそらく日本でも向こう数年で徐々に浸透して行くと考えて良さそうです。クレジットカードは有効期限が到来したタイミングで、新たにコンタクトレス搭載のプラスチックカードが利用者のもとに少しずつ行き渡ります。同じように端末側も買い替えの時期を迎える頃には、コンタクトレスは当然のものとなっているはずです。

決済端末の多様化

決済シーンで感じたことの2点目としては、支払いシーンや店舗側のオペレーションに沿った決済端末の種類の多さというのが目につきました。

あるファーストフード店でハンバーガーをオーダーした際ですが、ここでは日本でもお馴染みのメニューが店舗カウンター上部のモニターに一覧表示されていました。

モニターを見ながらオーダーを決めたら、店員さんと会話することなく、カウンターに設置されたタッチパネルで商品をタップし決めていきます。そのまま、支払いの画面が表示されるので、端末に備え付けられている非接触の端末にクレジットカードやスマートフォンをかざして支払いは完了です。

発行されたレシートの番号だったか、端末に入力したニックネームだったかは忘れましたが、商品が準備できたらカウンターで呼ばれ、商品を受け取るというオペレーションです。

同じように端末でオーダー、決済まで完了し商品を待つだけというオペレーションを採用しているお店はこのハンバーガーのお店だけでなく、カフェなどいくつかの店舗で見られました。お客さん側の観点からは非常にスムーズにオーダーでき、便利の一言に尽きます。

日本においても、私もよく利用する牛丼チェーンでは店頭の端末で商品選択・決済まで完了させる方式が採用されており、全く無いわけではないですが、遭遇する頻度としては日本の方が少ない印象です。

加えて、このオペレーションでは店員さんとお客さんとの間で会話するシーンというのが基本的にありません。従って、従業員側はその地の言葉がわからなくても働くことができてしまいます。同じことはライドシェアサービスであるUberやLyftでも同様で、多少言葉が話せなくてもサービス提供できてしまう、このあたりはやはり移民の国というバックグラウンドが影響しているのかもしれません。

他にも色々と感じたことは多々あったのですが、長くなってしまうのでまた機会があればご紹介できればと思います。

ありきたりなまとめになってしまいますが、既成概念にとらわれず、新たな取り組みにどんどん挑戦していくことの重要性・必要性を改めて認識することができました。


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