ベトナムの通貨と決済事情
ベトナムの通貨はドン(VND)、日本円と比較した相場は2023年9月某日付けにおいて、1ドンは 0.0061 円。桁数、ゼロが非常に多い点が特徴です。
日本円をドンに両替をした際に戻ってくる紙幣には 500,000VND、50,000VND、5,000VNDといった紙幣がミックスされて渡されます。
紙幣の肖像画、どの紙幣もホー・チ・ミン氏、ベトナム革命の主要人物が描かれていることも手伝い、渡された金額が正しいのか判断するのに時間を要してしまいました。あげく、しっかり確認せずにはいはいと受け取ってしまうという思考停止に・・・
加えて、現金を使う際には即座に最適な紙幣を提示できず、お釣りの小額紙幣の枚数が増えてしまう、その結果、自分の財布に総額どのくらい入っているかわからなくなる、という悪循環も発生します。
日本と異なり硬貨の出番が少なく、財布が物理的に重たくなることは無かったものの、現金の煩雑さを改めて実感しました。
蟹が美味ということで、市街地にある蟹が食べられると現地駐在の友人イチオシのお店に向かいます。
お店の前の歩道の部分にも、生きたままの蟹がバットに並んで入れられており、お店の一角にあるフライヤーで丸揚げにしてくれるような雰囲気のお店です。
ホーチミンは比較的海や川が近く、海の幸が豊富というのもうなずけます。
メニューを見ると、ベトナム語のメニューリストとともに、ゼロがたくさんの価格が掲載されています。
仮に1人で店に来たらと想像してみましたが、メニューも理解できず、金額感もわからず、海外ならではの文化の違いに戸惑っていたに間違いありません。
こうした戸惑いは日本での価値観を壊してくれるので、ある意味それを期待して海外に行ってみたという側面もあったのですが、今回は現地に住む友人がオススメをよしなに注文してくれたので事なきを得ました。
しばしば、日本から友人や取引先の方がホーチミンに来てくれることがあるので、いくつか連れて行けるお店や注文する品までもピックアップしてある、というあたりはさすがです。
ワンタイムパスワードとカゴ落ち体験
こうした通貨が異なることでの戸惑いは国が違えば当然ではありますが、海外に飛び出してみたことで改めて気がついた困りごとがありました。
思わぬところでEMV3Dセキュアによるカゴ落ちユーザーになってしまった、というお話をご紹介したいと思います。
滞在中、思い出したタイミングでスマートフォンから帰国便の座席指定、決済手続きを進める必要があったのですが、EMV3-Dセキュアのある「落とし穴」にハマってしまい、決済することができませんでした。
渡航前に航空券は購入したものの、帰国便に限り座席指定することをすっかり忘れていました。
決済画面まで進むと、自身の持つクレジットカードで搭載されている、EMV3Dセキュアによるチャレンジ認証が発動します。自分のカードでは、SMS経由でワンタイムパスが送信される仕組みです。
しかし、ここで問題発生。ベトナム滞在中はホーチミンの空港で購入した現地通信ネットワークのSIMカードに差し替えてスマートフォンを使っていたため、日本のカード会社に登録したモバイル電話番号に配信されたSMSを見る手段がありませんでした。
スマートフォン上に表示された本人認証の画面には「メールアドレスまたは携帯電話(SMS)にワンタイムパスワードをお送りします。」と案内が出ていたので、SMSが見れなくてもEmail経由でパスワードが配信されるはず?と考えました。しばらく受信ボックスを眺めていましたが、最後までEmailが来ることはありませんでした。
同じように、東南アジアの交通のインフラとも言えるGrabのアプリ、渡航前にインストールはしていたものの、カード情報の登録はせずに現地に向かってしまいました。
現金で支払うこともできるのですが、前述のとおり現金の煩雑さを体感したためクレジットカード登録をしてみましたが、同様にSMSが届かないことでカード登録を完了できませんでした。(有効性確認の「1,000ドンオーソリ」パスできず・・)
この数年でワンタイムパスワードの運用も徐々に浸透しており、これまで何度もSMSによるワンタイムパスワード配信、本人確認は経験しています。
スマートフォンのアプリを切り替え、SMSメッセージを見るためのアプリを検索、メッセージに表示された数字6桁や8桁を忘れないよう集中力と共に記憶し、本人認証画面に登録するという一連の作業には徐々に慣れてきたところでした。
しかし、海外滞在時に日本のSMS受信ができないという「確実に決済できないパターン」がふと明るみに出たわけです。
コロナ禍を経て、国境をまたいだ渡航が活性化する見込みであるため、同じ悩みを抱え決済できずに困惑するケースは増加するでしょう。
SMSの受信環境を必須要件にするのではなく、インターネットさえあれば実現できる本人認証の手法が理想かもしれません。
他にも、ホーチミンでの電子決済というテーマでまたご紹介したいネタもあるので、また次回以降にお話したいと思います。