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ベトナムから垣間見えるカード決済の今後

公開日 2019年11月5日
グローバルトピックス

海外資本の参入による変化

先日ベトナムはホーチミンに行く機会がありました。東南アジアの中では比較的キャッシュレスが遅れているというイメージが強い国です。

 

しかし、最近はその様相も変わってきているようです。ベトナム政府は2014年に投資法を更新し、以降ITハイテク分野を中心に海外資本の参入を奨励しています。

ここ数年で、ECや電子決済なども急速に普及している印象であり、中でもモバイル決済の普及は急速に進んでいます。

 

モバイルアプリとキャッシュレス戦争

日本ではキャッシュレスの促進が進められていますが、それはベトナムも変わらないようです。

しかもモバイル決済の普及率は、世界的に見てもベトナムが断トツです。

 

(参照:PWC- It’s time for a consumer-centred metric:introducing ‘return on experience’)

 

直近では、LINEPayをはじめとするモバイルアプリによるウォレット決済が急速に普及しており、街角では様々な特典を付けて利用促進をするプロモーション広告が多く見かけられました。

このモバイル決済提供事業者ですが、現地では金融系を中心に30社弱ほどあると言われています。具体的なプレーヤーについての詳細は割愛しますが、日本と同様に競争は激化しています。

基本的な使い方は、銀行口座からの引き落としや、登録済のクレジットカードにチャージする形式となります。

筆者が利用した、タクシー配車アプリの「Grab」も、クレジットカード情報を登録することにより外国人でも簡単に利用できます。またGrab Payといってウォレット決済機能もありタクシー以外の決済シーンでも利用可能です。

 

クレジットカードの普及度合いは

モバイル決済が使えるお店は、同様にクレジットカードも使えるといった印象でした。ホーチミン市内のレストラン、ショッピングモールではこうした電子決済の利用が可能です。

 

とりわけ驚いたのは、現地の人々向けの飲食店など、明らかに「現金オンリー」のようなお店においてもクレジット決済が可能だったということです。

あるお店で現金が足りずカード決済できないかと聞いたところ、最初は現金のみと言われましたが、最終的には店のバックヤードから渋々ではありますが、カード決済の端末を持ってきました。

カード決済手数料を嫌気しているのかわかりませんが、現地の方々向けの飲食店でも端末を用意しているあたり、店舗側でのカード決済も普及していると実感しました。

 

しかし、ベトナムでは未だクレジットカード保有率は諸外国と比較し低いのが現状です。これはベトナムに限らず東南アジア全般に言えることですが、やはり所得水準が全般的に高くないことが背景にあります。

今後、経済成長によって所得水準が上がってくれば、その次のステップとして多くの人々がクレジットカード保有というのが規定路線になってくるであろうと現地で実感しました。


ベトナムから透けて見えるクレジットカードの今後

ここまでベトナムのキャッシュレス化について簡単に現在の状況について述べましたが、主題はここからです。

実はベトナムは現金の利用率が圧倒的に高い国であり、街中での庶民は現金を使っています。

 

しかし、銀行口座の保有率は30%前後、とも言われています。なんと、10人に7人が銀行口座を保有していないのです。

これはすなわち、「キャッシュレス・電子決済の取扱高の伸びしろも多い」と換言することができます。キャッシュレスの普及率も他国に比しておのずと高くなることが見込まれます。

 

ここで重要なポイントは、世界中で利用されているVISAやMastercardなどの国際ブランドに代表される、クレジットカードブランドのネットワークに収斂するインフラモデルになっていたことです。

ベトナム独自の電子決済インフラが自発的に創造されるとは言い難く、こうした国際ブランド付帯のクレジットカードの普及へのレールが間接的に敷かれているように見えました。

 

同時に、これら国際ブランドのネットワークはやはり強大であることを実感しました。

ビットコインやFacebookのLibraなどの仮想通貨が話題に上りますが、こういった新しい決済手段が既存の決済手段を完全にDisrupt(破壊)しない限り、しばらくクレジットカードブランドがインフラの頂点に君臨し、日常の消費経済、決済社会を形成していく、という日本や他国で見られるよう状況は変わらなそうです。


チャージバックの課題は続く

少々大袈裟な論調でしたが、日々の支払いにおいてクレジットカード決済は今や不可欠なものになっています。

日本で推進されている各キャッシュレスサービスも、それぞれのアプリにクレジットカードが紐づいているケースが多いです。

 

そして、現在課題であるクレジットカードの不正利用も、クレジットカードが利用される限りはしばらく続いてしまうと見ています。

今後10年でどうなるかわかりませんが、ベトナムの経済発展の過程から垣間見られるクレジットカード決済の潜在需要は依然として高く、同時にグローバルの規模において不正利用の課題は今後も続くだろう、と改めて実感しました。

 

チャージバックのご相談はアクルまでお気軽にご連絡ください。


アクルホームページ
 


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