2026年7月16日、全国各地でクレジットカード決済ができない、または利用しづらい障害が発生しました。コンビニ、鉄道の券売機、モバイル決済、ECサイトなど、影響は決済手段を横断して広がりました。
決済インフラは、止まらない前提ではなくなった
障害はおよそ4時間続き、コンビニやドラッグストアの店頭決済、鉄道系ICカードへのクレジットチャージ、コード決済アプリ、BtoBの請求サービスなど、複数の企業・サービスが影響を公表する事態となりました。経済産業省がVisaに原因究明と再発防止を求める事態にまで発展しており、一企業のシステム障害というより、社会インフラの一部が止まったに近い出来事だったと言えます。
これまで「決済は止まらないもの」という前提でECサイトを設計してきた事業者は少なくないはずです。しかし今回の一件は、決済インフラも他のITシステムと同様に、障害が起こりうる存在であることを改めて突きつけました。
決済手段の選択肢は、そのまま”売上を守る手段”になる
決済インフラの障害は、クレジットカード1本に依存しているサイトほど影響が大きくなります。逆に言えば、複数の決済手段を用意しているサイトは、1つの決済手段に障害が起きても、他の手段で購入を完結してもらえる可能性が残ります。
これは障害時に限った話ではありません。とある調査によれば、ECサイトに希望する決済手段がなかった場合、他のサイトで購入する、あるいは購入自体をやめると回答した人が合わせて7割以上にのぼりました。同様の傾向は他の調査でも確認されており、希望する決済手段がないことを理由に、6割前後のユーザーがそのECサイトでの購入を見送るという結果も報告されています。
つまり、決済手段の選択肢の広さは、障害への備えであると同時に、平時からユーザーの利便性・コンバージョン率にも直結する要素なのです。クレジットカード、QRコード決済、後払い、コンビニ払いといった複数の手段を用意しておくことは、「もしもの備え」と「日々の売上」の両方に効いてくる、数少ない施策と言えます。
しかし、決済手段が増えるほど、不正対策には”ムラ”が生まれる
一方で、決済手段を増やすことには見落とされがちな課題があります。クレジットカードには「3Dセキュア」という、カード会社・加盟店・決済代行会社が共通のルールで運用する、業界標準の本人認証の仕組みが存在します。2025年3月にはこの3Dセキュアが必須化され、業界全体での不正対策の底上げが図られました。
一方、QRコード決済や後払い、コンビニ払いといった決済手段には、3Dセキュアに相当するような業界横断の標準的な不正検知の枠組みは存在しません。決済手段ごとに個別の基準でリスクを判断しているのが実情で、たとえば、ある決済サービスで「要注意」と判定された利用者が、別の決済サービスでは何の制限もなく利用できてしまう、といったことも起こり得ます。加盟店自身が独自のブラックリストや目視チェックに頼らざるを得ないケースも少なくありません。決済手段が多様化するのと同時に、その”守り方”のばらつきも広がっているのです。
つまり、決済手段を増やすということは、EC事業者にとって「守り方がバラバラな決済手段」を並行して運用することを意味します。選択肢を広げれば広げるほど、目の届きにくい”抜け穴”も同時に増えていくのです。
“保証があるから安心”とは限らない
Amazon Payのように、一定の条件を満たせば不正利用による損害を加盟店側が負わずに済む保証制度を備えた決済手段もあります。ただし、この保証の適用を受けるには所定の要件を満たす必要があり、実際の運用では、保証を受けるための調査対応にかかる工数が、加盟店側の新たな負担になっているという声も聞かれます。
保証制度があること自体は心強い一方で、事後対応にかかる工数や負担が、別の形で加盟店にのしかかっているとすれば、それは見逃せない実態です。不正を未然に防ぐことができれば、そもそもこうした事後対応自体が発生しません。「保証があるから大丈夫」ではなく、「不正が起きない状態を作る」ことこそが、最も工数のかからない対策だと言えるのではないでしょうか。
ASUKAなら、クレジットカード以外の決済手段も一元的に守れます
その「不正が起きない状態」を、決済手段を問わず実現できる仕組みが、弊社の提供する「ASUKA」です。クレジットカードだけでなく、クレジットカード以外の決済手段についても不正検知にご対応が可能で、決済手段ごとに個別のルールや監視体制をゼロから組む必要はありません。複数の決済手段を横断して、一貫した基準で不正の兆候を検知できる点が特徴です。
「決済手段を増やしたいが、増やした分だけ不正対策の管理が煩雑になるのが不安」「QRコード決済や後払いの不正対策は、決済サービス側に任せきりになっている」といった課題をお持ちの事業者様は、ぜひ一度ご相談ください。決済手段を増やすことと、不正対策の水準を保つことは、本来どちらかを諦めなければならない話ではありません。
まとめ
決済インフラは止まりうるものであり、決済手段の多様化は、EC事業者にとって売上を守るための現実的な打ち手です。しかし、決済手段を増やすことは同時に、不正対策の”ムラ”を増やすことにもつながります。「売上を守るために決済手段を増やしたら、不正対策の抜け穴も増えてしまった」ということでは、本末転倒です。
ASUKAは、クレジットカードを含む複数の決済手段に対して、一貫した基準で不正検知を行う仕組みを提供しています。決済手段を増やす際は、利便性の向上だけでなく、あわせて「守り方」も見直してみませんか。決済手段の拡充と不正対策の両立について、少しでも気になる点があれば、お気軽に弊社までご相談ください。